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楽器は音を出すための道具であるが

人間には音(声)を出すための器官がすでに備わっているため、楽器音と肉声との比較によって、楽器の存在意義を明らかにすることができよう。

肉声の場合と異なる楽器の特徴の一つは、一定の音高をもつことである。

ただし、音高感が明確でなく、リズムにのみかかわる楽器もある。

また、管を吹いた場合などは倍音列に属する音が容易に出るため、声のように連続的ではない音高の変化が得られる。

さらに、楽器では音高の相違を空間的、視覚的に容易に示すことができる。

たとえば、木琴のようにたたく物の大きさ、パンの笛やハープのように管や弦の長さの違いで音高は変化する。

弦の長さを変えたり管に指孔をあけたりすることで積極的に音高を変えるようになれば、この特徴はいっそう顕著である。

これらのことから、楽器は声に対して音高の基準を与えることができ、とくに歌の伴奏を考えればその役割は明白である。

手事は日本音楽用語で

一般用語では「手管(てくだ)」「手練(てれん)」などと同義で、「手毎」とも書かれたが、音楽用語として現在では地歌・箏曲(そうきょく)の楽曲中、歌の途中に挟まれる器楽的なまとまりのある長い間奏部分をさす。

手事部分に比重を置く曲を「手事物」といい、「手のもの」「手もの」などと称する場合もある。

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江戸時代には「手琴」「曲節」などとも書かれ、「手」そのものを意味したり、三味線組歌や長歌(ながうた)などの三絃(さんげん)曲の古典的な曲種の総称であったが、しだいに『砧(きぬた)』『すががき』などの純器楽曲をさすようになり、長唄・端唄(はうた)などのうちその間奏部分の独立性・器楽性の高い楽曲をも含める語となった。